2009年12月6日日曜日

哲学する科学:遺伝子がくれる幸せ

あなたにとって、幸せとはなんですか?


愛する人と結ばれること?

おいしいごちそうを毎日食べられれば幸せ?

使いきれないほどの財産を持ち、なんでも買えるようになること?

生命の危険を一切感じることなく、平和に暮らせることかもしれませんね。

それとも、セレブになって世間の羨望を集めることでしょうか。

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ところで、人間が感じる幸せは、大きく2つに分けることができます。

一つは、

<遺伝子が与える幸せ>

もうひとつは、

<ミームが与える幸せ>

です。

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<遺伝子が与える幸せ>とは?

人間は遺伝的に、異性からもてはやされたり、満腹になった時、または暖かな寝床でぐっすり眠るとき、幸福感を感じるようにできています。

その幸福感は、エンドルフィンやエンケファリンなどの脳内の神経達物質の分泌によってもたらされることが分かっています。

これらの神経伝達物質は"脳内麻薬"とも呼ばれ、遺伝的にプログラムされたルールによって分泌され、私たちを一時的にとてもハッピーにしてくれます。

つまり、遺伝子がくれる幸福感とは、遺伝子が生き残るために頑張ったことに対する、私たちへのご褒美なのです。

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私たちが感じる幸せのほとんどは、根源的なレベルでは上記のような<遺伝子がくれる幸せ>です。

言いかえれば遺伝子が、

「よーし、よくやった。偉いぞ、その調子だ。ほれっ、お前の好きな"幸せ"をやろう。」

と、飼い主がペットに好物のエサを投げ与えているのに似ている、とも言えます。

うーん、なんだかちょっと癪に障りますね。。。

しかし、どうあがいても人間は遺伝子の乗り物であることから逃れられない存在なので、残念ながら甘んじて受け入れるしかないのです。


見方を変えると、こんな風にも考えることができます。

遺伝子に組み込まれていますから、<遺伝子がくれる幸せ>は誰に教わらなくても、私たち人間が生まれた瞬間から感じることができます。

(赤ちゃんでも、泣いたり笑ったりできますよね?)

つまり私たちは、生まれながらにして、幸せ(と不安)を感じる能力を持っているとも言えます。^^)

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そうはいっても、私たち人間は<遺伝子がくれるアメとムチ>には、なかなか逆らうことができません。

ただ、それでも人間は他の動物と違い、完全に遺伝子のいいなりというわけではありません。

なぜなら、人間は"ミーム"の乗り物でもあるのですから。

というわけで、次回は<ミームがくれる幸せ>について考えてみましょう。


<「ミームってなんだよ?」とお思いの、最近読者登録して下さったあなたへ>

バックナンバーのこの辺りを読んでいただくと、なんとなくおわかりいただけると思います。

哲学する科学:ミームを知らないの? http://hammerchop-thinking-science.blogspot.com/2009/10/blog-post_6829.html

哲学する科学:心の遺伝子、ミーム http://hammerchop-thinking-science.blogspot.com/2009/10/blog-post_5325.html

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ご意見、ご希望、ご質問は mailto:thinking-science@live.jp まで

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