先号までで、私たちの幸せは、私たちの遺伝子と私たちのミームによってもたらされている、というところまでお話ししました。
私たちが遺伝子だけの指令で生きているなら、私たちは遺伝子のくれる幸せ(ご褒美)のために行動するだけの存在であったかもしれません。
しかし私たち人間は、見聞きする情報(ミーム)によってプログラムされる生き物であり、
新しいミームに触れ、それらの一部を取り込むことで、脳の中のミームの組み合わせを日々更新し、それによって少しずつ振る舞いが変わっていきます。
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脳がミームというプログラムに従って動作し思考するなら、私たち人間はミームたちの奴隷なのでしょうか?
私は、こう考えます。
「私に組み込まれたミームは組み込まれた瞬間からあなたの一部になるので、どのミームを組み込むかは、(私が取り込んだミームを含めた)私に選択権がある。」
へ理屈のように聞こえますか?
でも、「私」というものの存在を定義しようとすると、どこかに線を引くしかありません。
そして、「"私とは何か"と考える私」は、思考を司る脳の中で、思考をプログラムしているミームたちに他ならないのです。
つまり「思考するあなた」は、あなたが取り込んたミームたちの集合であり、
それは自律的に、新しいミームと取り込んだり、持っているミームを手放したりしながら、自分自身を編集し続ける存在です。
そして日々取り込むミームは少しずつですが確実に、「あなた」を変えていきます。
人の話を聞いたり、テレビやネットやメルマガから入ってくる情報に触れるとき、それはあなたは少し変わります。
自分の判断力に自信があったとしても、その「自分」が少しずつ変わっていくのです。
少し慎重になった方がいいかも、と思ったかもしれませんね?
しかし、どの情報(ミーム)を自分の一部にするかも、今まで取り込んだミームたちによって、既にプログラムされているのです。
そう聞くと結局あなたは、「やっぱりミームの奴隷なんじゃないか!」と感じるかもしれません。
しかし、ミームというのは単に、私たちの心の構成単位に名前を付けたものに過ぎません。
言い換えると、私たちの心は、日々情報の断片を心の外側から取り入れ、進化する存在なのです。
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話を最初に戻しましょう。
「哲学する科学」、つまりこのメールマガジンは、あなたを幸せにするかも?と私は書きました。
ここで私が書いたことは、あなたをプログラムするミームたちについての知識です。
その知識は、読んだあなたの脳と将来の行動さえも、知らず知らずのうちに、もうすでに変えたはずです。
あなたは以前より、あなたに流れ込んでくる情報たちに対して無防備ではありません。
そして無意識のうちに(時には意識的に)、将来の自分によってプラスになりそうな情報を選択し、自分の一部としていくことでしょう。
そのことは、きっとあなたをより快適な状態(幸せ)に導くと、私は信じています。
これからも私は、そんな風にあなたを良い方向に変える情報(ミーム)をあなたに届け、あなたをプログラムしていきます。
そしてあなたが変われば、あなたの脳の中の宇宙も変わり、あなたの脳の中の宇宙は、あなたの外に広がる宇宙に影響を及ぼします。
つまり、「哲学する科学」は、宇宙を編集し、世界を変えるメールマガジンなのです。
そしてついでに、あなたを幸せにします。…たぶん、ちょっとだけ。(^ー^)
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ご意見、ご希望、ご質問は mailto:thinking-science@live.jp まで
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