2009年9月28日月曜日

科学が哲学(仮):心とは何か (哲学する科学 第3号)

「死んだら私はどうなるんだろう?」

…と、考えているのは私たちの心です。

では、その心とは何なのでしょう?

前回ご紹介した慶應義塾大学の前野隆司教授の説によれば……

――――――
人間と同じように心を持つロボットを作ろうとした慶應大の前野隆司教授は、まず人間の心を理解する必要に迫られました。

人間が物を考える時に働くのは脳である、ということに異論を唱える人は現代においては少数派だと思います。
前野教授もそう考え、脳がどうやって周りの世界を捉え、どうやって「死んだらどうなるんだろう?」などと考えるのか、その仕組みを理解しようと勤めました。

脳(大脳)は、たくさんの神経細胞<ニューロン>が集まってできた<ニューラルネットワーク>です。
生まれた時には、そこには殆ど何もプログラムされていない状態、つまり白紙のような状態ですが、脳は驚異的な学習能力を持っていて、感覚器官からの入力をもとに日々変化し続けていきます。
大脳におけるそうした学習は、ニューラルネットワークの中に次々と小さなプログラムを作り、それらを連携させることで達成されていくとのこと。
つまり言い換えると、人間の脳はコンピュータと非常に似ていて、新しいプログラムをインストールされながらそのプログラムに従って動作するシステムだといえますね。
ただしコンピュータと違い、人間の脳は自分で自分のプログラムをどんどん書き換え、進化し続けるというところが大きな違いです。また、動作速度はコンピュータの方が既にかなり早いですが、同時に動かせるプログラムの数は今のところ脳の方が圧倒的に多いというのも大きな違いです。

さて、脳の仕組みの話はひとまず置いて、「心とは何か」に話を戻しましょう。

脳が無数のプログラムで出来ているなら、それはどうやって心を形作っているのでしょうか?

(つづく)

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